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2017/09
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お題:お盆の親戚
やめておけばよかった、なんてのは薄っぺらい反省だと思う。
既読のつかないLINEを眺めながら、私は後悔の溜息をついた。

大学に進学を決めた姉貴を東京へと見送ったのが五年前。
都会に関する噂話でいいものを聞いた試しがなかった私は、
田舎から離れようとする姉を必死になって説得しようとした。

ひったくりや痴漢の類は日常茶飯事。
田舎から出てきたお上りは都会人の食い物。
打ちっぱなしのコンクリートに囲まれた生活に憧れるなんてまともじゃない。

どんな言葉を投げかけても姉貴は表情を崩さなかった。
感情に任せすぎた訴えは姉貴に対しての暴言も交じっていたかもしれない。
それなのに私の一方的な訴えを黙って聞き続けた姉貴は怒ることもなく、
たった一言、「知らないから怖いんでしょ」とだけ言って荷造りに戻った。

LINEの履歴を辿りながら遠く離れた姉貴との記録を反芻する。
オシャレなバーを見つけたこと。綺麗な色のカクテルの写真付き。
都会にだって自然が多い公園があること。はしゃぐ子供たちの姿。
大学の先輩と付き合いだしたこと。恥ずかしそうに笑う男の人。

『姉貴なんか帰ってくるな』

姉貴は都会に明るいものを見ていて、本当にそれがあった。
だけど私は受け入れることを拒否して理解しようとしなかった。
たぶん姉貴は今年も帰ってこない。私が言ってしまった通りに。
立ち上がりかけて視界がくらみ、手のついた先に置いてあったコップをはじく。
こぼれたジュースはテーブルに広がって、その端からカーペットへと滴り落ちる。
もしやり直すことができたらなんて都合のいい妄想を繰り返しながら、
ジュースを吸い取るカーペットを見つめ続けた。
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