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2017/10
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お題:寒さ
「C組のあの子、彼氏とね、もうシたんだって」
「え、ウソっ。いつ、いつ?」
「はやーい。いいなあ」

私の苦手な会話が始まった。他人のプライバシーを曝け出してまったく何が楽しいのやら。
煙草の煙を吹くように、吸い込んだ息を上に吐いた。

「私も早くシたいって言ってるのに彼氏がビビりで」
「わかるわかる。ウチもそう。……まあ、あんたはまだよねえ?」

会話の流れに従って、見下した流し目が私を向く。
よくご存じでという言葉を飲み込んで、受けのいい笑顔を作る。

「やめてよー。私、そおゆうお話はダメなんだってー」

恥ずかし気に耳を塞ぐポーズも付け加えると、机を囲む思春期乙女たちは
お互いの顔を見合わせて、やっぱりこの子はそうよね、と安心した顔になった。
私が経験したらいったい何がどうなるのか。まるで氾濫危険水位みたいな扱いだ。

「あ、そうだ。私、彼と帰る約束忘れてた。ごめんね」

そう言って席を立つと、思春期乙女たちは勝ち誇ったような笑みで手を振ってくれた。

校門で待つ彼を見つけて背中を弱くつつく。似合わないキャラだなと自分で思う。
未だ付き合っている感覚に慣れていないのか、固そうな声音で行こっかと言った。

「あのね。C組みの子……もう、シたんだって……」

彼の歩みが止まる。私が振り向くと、彼は赤くなった顔を横に向けた。
「もうちょっと俺たちが大人になってから」なんて言葉は、十二月にぴったりの寒さだった。
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